前編はこちら→【前編】わたしをネズミ講(マルチ商法)に誘った同期は今頃どうしてるだろうか?

高卒で就職した同期女子約50名は、10年目の永年勤続表彰を受ける頃には10名程まで減っていて、その10名の中にわたしもAさんも残っていました。

支店の営業畑のAさんはわたしたち高卒女子同期の中でも一番に一般職から総合職に出世していて、わたしは本社の事務経理で地味ながらもコツコツと働いて、Aさんに少し遅れて総合職になっていました。

Aさんの事は数年に一度人事異動通知で名前を見かけていましたが、支店が違うため、マルチ商法勧誘事件以降、一度も接触がないまま。

そして15年ほどが過ぎた頃、わたしの務めている本社ビル内の営業部へAさんが異動してきました。

以降、Aさんとはたまに廊下ですれ違う機会がありましたが、数少ない同期しかも同郷なのに特に立ち止まって会話する事もなく。

更に数年経った頃、風の噂で「Aさんが仕事を引き継いでいるから退職するのではないか?」と聞こえてきて、噂の通り、ある月末、Aさんが退職の挨拶回りでわたしの部署にもやってきました。

仕事で接点のあった人たちへ一人一人挨拶に回っているAさんは、わたしの前にもやってきました。

一対一で面と向かって会話をするのは、マルチ商法勧誘事件以来、約20年振りでした。

わたしに向かい、妙に勝ち誇った表情でAさんは、
「結婚するから会社辞めるんだ。◯◯さんは定年までここにいんの?w」

「Aさんと話すの、新宿の喫茶店でマルチ商法に誘われたとき振りだよね?」

わたしは心の中でそう思いながらも、実際は、
「…たぶんね…」
と弱々しく苦笑いで返しただけで、約20年振りの会話は終わりました。

Aさんには特に仲の良かった同僚がいなかったようで、退職以降の近況の噂は全く聞こえてきません。(仲が良かった人が在職してると退職後もそれなりに結婚やら出産やらの噂は聞こえて来るのです)


Aさんは今ごろどうしてるんだろう?


20年前、わたしがマルチ商法に勧誘されたのは、わたしが弱気で大人しくて人畜無害な性質だったからだとずっと思っていたのですが、もしかしたらAさんは同期全員に絨毯爆撃でマルチ商法の勧誘をして、結果孤立してたのかもしれない。

キラキラした夢に溢れた目でわたしを勧誘してきた頃、実はすでにAさんは多額を出してエンジンオイルという荷物を抱えてしまっていて、少しでもその在庫を減らしてリターンを得ようと必死だったのかもしれない。

記事を書き終えて、はじめてそういう想像もできるようになりました。

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